柳宗悦の『手仕事の日本』によると東北は「手仕事の国」。しかし今や、手仕事の国の技には途切れそうなものもあり、その最たるものが藁細工です。藁はかつてとても身近なものでしたが、今では珍しい素材ですらあります。藁で作られてきた道具も安価な輸入素材や石油製品に替わり、藁が使われていた伝統行事や風習の多くが消え、藁文化は衰退しました。何千年もの歴史をもつ稲作文化の最先端である今、藁の手仕事の技が消えつつあるのです。そんな状況のなか、わずかでも残せる可能性があるならば自分がその技を受け継いで次世代に残していきたい、との想いで活動しているのが工房ストローです。ストローとは藁のこと。藁の文化は、地域の生きた宝です。地域の古老たちを訪ねて学んだ知恵と技術、現代の暮らしにフィットする新たな道具、それらを紹介するワークショップを通して、藁のある風景を残していこうと思います。
一本の藁は様々な用途(製品)に合わせ、分解され、余すことなく使用されます。