なんでも作る、小さな農家

工房ストローは昔ながらの小さな農家です。百姓です。かつて百姓とは百の仕事をこなす人でした。道具作り、土木工事、大工仕事、なんでもこなすのが農業でした。外での野良仕事ができない冬は、家でありったけの知恵と技を駆使して、食物保存の工夫をしたり生活用具や農具を作りました。その多くは稲刈りをした後にできる稲藁を使いました。暮らしは自然の四季に溶けこんで、田畑の恵みは、家畜を通じて、また田畑に還ってゆきました。小さな循環が農村の美しい景観を形づくっていました。工房ストローは、そんな昔ながらの農業の営みには、自然風土の中で自然体に生きる知恵が凝縮されてると考えます。伝統行事や伝承野菜や伝統の手仕事を守りながら、地域の自然の循環の輪のなかにぽーんと当てはまる暮らしを目指しています。現代で失われつつある「作る暮らし」を、工房ストローは、ずっと続けていきたいのです。

主宰 髙橋伸一

1975年、山形県真室川町の稲作・畑作と畜産を営む農家の5代目として生まれる。古来からの年中行事が息づく町の、3世代が同居する家で、豊かな自然を遊び場に、動植物も遊び仲間という環境で育つ。高校卒業後、地元の町役場に就職。地域活性化をめざす町のブランド化戦略に関わる中「ないものねだりから、あるもの探しへ」という地元学の考え方に触発され、藁細工などの手仕事、伝承野菜、伝統行事など、町のユニークな〈宝〉の存在に気づき始める。後継者不在により断絶の危機に瀕しているそうした地域の〈宝〉の継承こそ自分の使命とこころに決め、2016年3月、20年以上勤めた町役場を退職し、工房ストローを立ち上げる。藁細工の素晴らしさや楽しさ、また古きよき地域ならではの〈宝〉を多方面に情報発信し、その継承と発展をめざし、日々活動中。

〈 工房ストロー 〉
〒999ー5311
山形県最上郡真室川町大字平岡885

工房ストローの仕事

農作物の栽培から畜産、藁細工など、工房ストローの仕事は1年を通して、色々です。